Kitajima Yuko Blog

画家。画業や雑記など

五人展【L’aube -幕開け-】作品解説

京都の梅軒画廊にて5月13日より開催の五人展【L’aube -幕開け-】

今をときめく作家の皆様に囲まれて、特別な経験となりました。
ゆったり優雅に飾っていただいて光栄でした。
こころゆくまで鑑賞できそう。



このような素晴らしい機会を与えて下さった梅軒画廊様に心より感謝申し上げます。

 

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さて、今回テーマが【L’aube -幕開け-】ということで、
未来に向けて懸命に生きる女性を描かせていただきました。


今回の 『とつおいつ』  『凝らし耽る』  『あやめも知らぬ恋』のモデルさんが
自分が高校生だった古からの友人の娘さん(16)ということもあり、
娘さんを通して16歳前後の女の子の行動心理に想いを馳せていたら
自分の16歳ころの髪の感触、長かった一日のことなどがありありと蘇って

「今だったらあの年頃の女の子を描いてもよさそうだな!」
と思い描いてみました。

 

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タイトル 『満ちる』 

→こちらはいつもお世話になっているR様がモデル。
ドラゴンフルーツで活力源チャージする女性像。
食べる女性を描くのが楽しく、最近好んで描いています。
若くなくなって不思議と花はあまり描かなくなったものの
果物や食べ物は凄く描きたくて、描いてみたらハマりそう・・・

 


タイトル 『とつおいつ』

 
→あれこれ迷っている様子なのですが、若さを感じる行動だと思って描いてみました。
若い女の子って、髪の毛が決まらなくて絶望して学校休んでしまったり、ハンカチを拾って貰ったという理由で恋に落ちたり(昔聞いた忘れられないエピソード)、視野の狭さが眩しいし絵になる。

 


タイトル 『凝らし耽る』 (F4)


→お化粧をする女の子の没入感は、女子高生だった妹のメイクシーンを観察して描いた大学時代からずっと画題です。
何故か大学時代~OL時代は人にメイクをさせてもらうのが大好きで、
メイクさせてもらう度にその方の無自覚の魅力を引き出したいという謎のモチベーションが沸いたし
メイク後の満足そうな顔を見るのが本当に最高の気分で。
そういった意味では自分の原点ともいえる画題だと思います。
人のメイクする姿には小宇宙を感じるというか、本当の姿があぶり出されるような不思議な感じが大好きでした。
古くは自分の母のメイクする姿を見るのが大好きでしたし、今息子や姪がお化粧する度に興味津々に観察しに来るのですが感じるものがあるのだろうな、と感慨深いです。

 


タイトル 『あやめも知らぬ恋』 (F10)

→あれこれぐちゃぐちゃで自分を見失いそうな、フワフワした恋する女の子もまた若さを感じる様子だと思います。
2~3時間おめかしにかけるあの情熱は本当に若さ。
恋心をコントロールどころか無自覚によって溢れてしまうあのフェロモンをね、描きたかったんですよ…。
今回この絵が一番描きたいものを描いた気がします。自己満足。

 

 

次回は9月の個展です
今回は(当社比)清純な絵を、と思い制作しましたが
秋冬は真逆で行きます。
引き続き どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

年末年始の雑誌掲載

お久しぶりです。
家事育児と制作だけしていたら二月が終わろうとしています。
本当に他に何もしていない。
ウォーキングとか健康管理したい。今年は人間ドック行きたい。

 

中途半端に片田舎在住で在廊すらままならず、展示に足を運んで下さる方には本当に申し訳ないです。
SNSで会場の様子や作品の写真などアップしていただいたのを見てひとりで喜んでいます。

 

ということで、こちらのブログでは年末年始に掲載いただいた雑誌について。

 

 

月刊美術 2023年 1月号

画廊おすすめの作家としてご紹介いただいております。
本当に素敵な紹介文ありがとうございます。頑張ります。。


アートコレクターズ 2023年 1月号

恒例の日本画特集でスター作家様に挟まれて掲載されてて目を疑いました。
一年前はこんな未来が来るなんて思ってなかったわ。

 

 

アートコレクターズ 2023年 2月号

こちらも恒例の『完売作家』特集。
この特集もある意味いつかは私も・・・と目標にしていたので感無量。
そしてやっぱり今をときめく作家さんに囲まれてます。

 

このように超遅咲きの新人として雑誌掲載を果たすとは。
さすが人生100年時代。
今回の掲載を糧に、励んでいきたいと思います。

 

最近ではなんだかちょっと開き直って、美人画とかからはみ出てもいいからどうにかもっと描いてて楽しいもの描けないかと考えています。 

 

時間は有限だからね。

 

アウラ展 2022 親愛なるモデル様たち

GalleryARKにて27日から開催のアウラ展】

いつもGalleryARKさんでの作品は楽しく好きなものを描かせてもらってます(有難いです)。
結果若干セクシー系になる傾向があるんですが、気負わず好きなもの描いている方が割と周りにも好評だったりして。
私の場合は気合が空回りして先走りつんのめってしまうのか、いざ鎌倉って張り切って描くと滑るんですよね。
コンクールとかプレッシャーに弱いのかい、どうなんだい。。

 

話は逸れましたが

 

今回も大変お世話になって絶対足を向けては寝られない二人のモデル
ナナさんRさん
私の女神。

駆け出しの頃から下積み中の今に至るまでお世話になりっぱなし。


私の描く絵にも理解を示してくださって、やりたいように自由に描かせてくれるって凄いこと。
人によっては「ちょっとそこまでは・・」と言われても仕方ないのに。感謝しかないとはこのこと。
お二人ともモデルとして女王様としてプロに徹してきたベースがあるからなんだと思うんです。
ふたりともサラっとしててカッコいいのよ…。
何かを極めたの女の表情や緊張感大好き。玄人大好き。
そんなひとたちのふとした表情も大好き。


こうしてしたためているとやっぱり足向けて眠れないわって思います。

今後とも何卒よろしくお願いいたします!

 

業務連絡になってしまった。

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アウラ展】
会期:2022/10/27(木)から11/5(土)
※日曜休廊11時から18時(最終日は17時迄)
会場:GalleryARK
横浜市中央区吉浜町2-4 AXIS元町1F

AMAKARA展 作品解説

本日から開催のグループ展『AMAKARA展』

北島優子 | AMAKARA展

今回は三点ともに或る女流作家』という設定。

文筆か美術かそのへんはご想像にお任せするとして
理想のモチーフたる対象と対峙したときの女性作家の表情を描いてみたく。

妄想と経験から描いています。

ちなみに、今回の三枚のイメージというか設定は以下の通り。

 

『常に純粋』

若くして人気絶頂の才気迸る美人作家。
才能を持て余し満たされているはずの現状に飽きてる
そんな時出会った人物は・・・(あらすじ感)

 

『珊瑚だけが知る』


凝視。遠慮なくです。
表現者のこういう時はスキャンていうか透視してるよね。。わかるよね。

煙草は、今も昔も時間や心情を表現することができるアイコニックなアイテムで。
短くなった煙草、落ちそうなくらい長くなった灰はそれだけ無意識の時間が長く、没頭してしまっているということ。
少し空いた口元も、観察対象をあまりに凝視して口ポカーーンとなっているという
隙の無い装いの美しくも強面のお姉さまが。

『まなざし』

誰かとリラックスしているようで視線は隣の席の創作における獲物を捕らえてるような・・
自由な才能ある女は魅力的。


赤坂あたりの客筋の良いスナックでカウンターの一番奥に陣取り、連れの話にそつなく相槌を打ちながら、店内隈無く観察してそう。 時代は昭和、高度経済成長期でしょうか。
twitterで素晴らしすぎる設定を授けて下さった(@FcwY5bf5Jkplm29)様より引用。
好みの設定すぎて絵も私も喜んだ。

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特にこの『珊瑚~』のタバコのお姉さまは、20年くらい描きたかったもの。
煙草…難しいんですよね…描写力無いと演出アイテムとして煙草持ってるだけみたいに野暮ったくなりそうで。。

しかしながら、観てくれる人に分かりづらかろうが自分だけ楽しかろうが構わない、わたしの描きたいものはこれよ!って。やってしまえばなんたる快感。
SNSでの反応も多数ではないものの内容が濃厚でびっくりしました。

描いた絵に素敵な反応いただいて。こんなに凄い体験ないわ。

文章の持つエネルギーって不思議ですね。
絵に添えられると私の絵を10倍くらい輝かせてくれるような感覚です。
素敵な言葉で文章を紡げるひとって本当に憧れる。短歌とかも憧れる。
twitterなんて140字程で盛大に妄想させるセンスたるや言葉の切れ味すごい。
文章によって絵も輝くし、より深まって伝わるってもんだ。

そしてその逆になりたいものだ、物書きを滾らせるような絵描いてみたい。
なんて強く思った次第です。

 

今回誘ってくださった中園ゆう子さん、本当にありがとうございました。
今回の展示、私が作家として活動する本当に初期、予定なんか全くない不安な頃に初めてゆう子さんに声をかけていただきました。ゆう子さんのきめ細やかな神オペレーションによりすごくスムーズな運びで、参加できて光栄でした。

10月29日土曜日まで開催中です。

ヌードを描くを考える

『日本のヌード展』が会期を終了し3月から続いてた展示もひとまずこの展示で一段落。

この世界のスケジュール感覚を必死で覚える半年でした。
自分の容量とか立ち位置、目標設定などしっかり把握して、再び始動。

 

この半年ずっと考えてるのは自分の描く(描きたい)女性像の方向性。
いわゆる“日本画における女性像”に若干沿わないのは薄々感じてるけど。。

面白がってくれる方が居ることに凄く励まされたし、だんだん思いきれるようになってきた気が。

そもそも誰かの思い描く女性像を描く事はイラストレーターの時にいっぱいさせていただいたので
今私は私が描きたいものを描きたい。

 

私が若い頃、周りに美人は沢山いたけど、親密にさせてもらった美人は割と孤高で不器用で誤解されやすいオタクまたはガリ勉タイプが多かったんですね。
彼女らは自分からあふれ出る色香と美しさを持て余し振り回し振り回され最高に美しかった。


あれって何だったんだろう、自分の魅力をコントロールできない暴走特急のような。
描きたいのは多分、あのわけわからない迸るエネルギーを持て余しまき散らしながらも考えることをやめない女。

絵の中の女性が考えることをやめてしまったり人に委ねてしまうと、エロスや官能性が違う方向に向かっていく気がします。
ここに何か分かれ目みたいなものあると思うんですが・・。

ヌードの絵に関しては、おっぱいを逃げずに描けるかが自分のなかで勝負でした。
別になにか制約があるわけではなかったのですが、何かを吹っ切って開き直る必要があって、バンジーを飛ぶような感覚でヌードに挑んだわけです。
結果開き直る経験はとても自分に必要だったと思います。

 

案外今まで描いてたものも露出高めでセンシャルだったので観てる人からするとそんな葛藤は感じないらしく。
そうか・・・

肉感的・官能的であることと裸は若干違うと思っていて
裸は描き手としては何かopenな感じで、官能はclosedな感じ。


・・・とまあ中年期になったから考えるようになったのかも。
お年頃の時代はあれこれ無駄なような無駄じゃないようなことに一生懸命でそれどころではなかったし、考えるな感じろ状態ですもの、それが若さ。

無駄打ちまくったから今頃絵描きだしたのかも。